竣工検査では、仕上がり状態に問題がないかを慎重にじっくりと確認しよう

家が完成したら、外構も含むすべての仕上がり状態に問題がないかを、建て主自らが施工業者立ち合いのもとで確認していきます。この作業のことを「竣工検査」といいます。すっかりできあがった家を前にして、うれしさで気持ちが高ぶっているかもしれませんが、入居してから問題が生じることのないよう、ここは慎重にじっくりと見ていきたいところです。
家が完成した状態では、構造部分は仕上材などで隠れて見えないため、確認していくのはクロス壁の仕上がり、フローリング床の仕上がり、建具の建て付け、設備機器の操作といった、建物の内部が中心となり、外壁の仕上がり、外回りの機器の状態なども見ていくことになります。
竣工検査は、以下のようなポイントを押さえながら進めていくとよいでしょう。

● 「内装」「外装」「窓」「ドア」「洗面所」のように、あらかじめ見るべきところを書き出しておき、気になったところはその場でメモする。
● 見るだけでなく、ドアを開閉したり、キッチンやトイレ、浴室の設備を実際に動かしてみたりする。
● できれば２人以上でチェックして、お互いの気になったところを照らし合わせる。
● 手直しを依頼する場合は、その内容といつまでに終えられるかを確認し、施工業者と文書を取り交わす。

完成した状態に問題がなかったことを、もしくは納得のいく状態まで直してもらえることを確認したら、工事の着手前に行った建築確認と対になる、「完了検査」を申請します。これは、行政機関（市・町）などが、建築確認申請時に提出された図面と、同じ建物がつくられているかを確認するものです。この検査の結果に合格すると、「工事完了検査済証」が発行されます。

引き渡しの際には、アフターフォローの連絡先を確認しておこう

竣工検査と完了検査を済ませると、いよいよ物件の引き渡しとなります。竣工検査で不具合があった場合は、それが直されている状態を、建て主、施工業者の双方が最終的に確認してから引き渡しを受けるようにしましょう。急ぐからといって、確認をせずに入居してしまうと、汚れや傷、故障などに気付いた場合、その責任が建て主、施工業者のどちらにあるのかが曖昧となってしまい、トラブルの元となります。
引き渡しの際、一般的に渡されるのは、次のようなものです。

● 玄関などのカギ
● 確認申請書副本
● 工事完了検査済証
● 竣工図
● 各種機器・設備の説明書と保証書
● アフターサービスの関係書類

これらの内容に間違いがないかを念入りに確認し、また、機器や設備の取り扱い方法もしっかりと聞いておきましょう。
また、引き渡しの際に忘れてならないのは、入居後、もし不具合な箇所が発生すれば、気軽に連絡を取れる体制をつくっておくということです。一般的には、引き渡しから３カ月など、一定期間のトラブル・不具合に関しては工事現場の責任者がアフターフォローを行い、一定期間を過ぎたあとは、アフターフォローに関する専門の部署が担当することが多いようです。そのため、引き渡しの際には、アフターフォローに関する連絡先を必ず確認しておきましょう。これは、アフターフォローだけでなく、将来のメンテナンスのときにも必要となってきます。

登記を済ませて、初めて所有権が主張できる。住宅ローンの担保とする場合は「抵当権設定登記」が必要

法律的に「これが自分の家である」という権利を主張するための作業が「登記」です。この手続きは、引き渡しを受ける前に法務局で行います。登記をしておかないと、たとえ購入代金を支払ってあったとしても、悪意ある売り主が第三者に二重売却し、その第三者が先に登記してしまったら、家の所有権が得られなくなってしまいます。まずは、工事が完了して１カ月以内に、建築確認通知書および建物完了引渡証明書、建物検査済証などの、所有権証明書を添付して申請する「表示登記」を行い、これが完了すれば登録免許税を納付して「所有権保存登記」を行ないます。保存登記をすることによって建物の権利証が発行されます。
また、引き渡し時には工事代金の決済をすることになりますが、その物件を担保にして住宅ローンを借りる際は、事前に「抵当権設定登記」を済ませる必要もあります。いずれの手続きも、自分で行うことは煩雑なので、一般的には司法書士などの専門家に依頼することになります。
登記が済み、権利証を受け取れば、完成した家は晴れて自分たちのものに。いよいよ新生活のスタートです！